黒部川奥の廊下から赤木沢へ 


2008年8月9〜12日 晴れのち曇り 富山県〜長野県
メンバー 7人
コース:折立登山口--太郎平小屋----薬師沢小屋(泊)
薬師沢小屋--黒部奥の廊下---赤木沢出会い--大滝1-----北の俣岳--薬師峠峠キャンプ場(泊)
薬師峠キャンプ場---太郎平---折立登山口---神戸


8月9日(土) 神戸→折立登山口
午前9時2台の車に乗って神戸を出発します。途中亀谷温泉に立ち寄り湯、なかなか素朴ないい温泉です。折立に夕方到着します。駐車場や路肩の駐車スペースは結構車が止まっています。
登山口の折立キャンプ場は芝生のテント場に車を横付けでき、トイレもきれいなのに無料です。ただ炊事用の水道はあるのですが、生水は飲めないとのことです。夕食は豪華にすき焼きを食べて、明日に備えて早めに就寝します。
10日 晴れ 折立登山口5:00---太郎平小屋10:00----薬師沢小屋12:30(泊)
起床午前3時、5時出発です。朝の涼しいうちに高度を稼ごうというわけです。一日目は薬師沢小屋泊ですが、2日目は太郎峠テント泊、沢装備にテント装備でザックはズッシリと重く、肩に食い込みます。三角点までは樹林帯の中で、早朝涼しく快調にのぼっていきます。三角点からは展望の開けた草原で太陽がじりじり照りつけ苦しい登りです。足の速い男性陣は先に行ってもらい、のんちゃんとリーダーと3人ゆっくりしたペースで登ります。

折立キャンプ場
設備が整っていて、なかなか快適です

太郎平への道から薬師岳

明日歩く北の俣岳方面、ガスが沸いてきました

薬師沢へ下る道
午前10時、太郎平小屋に到着。ここでテント装備を小屋にデポさせてもらいます。気持ち軽くなったザックで薬師沢に下ります。12時30分薬師沢小屋に早めの到着します。
1時間程テラスで休憩してから、沢靴に履き替えて釣りに出かけます。格好をバッチリ決めた釣師が2人釣りをしています。

薬師沢小屋付近で釣り開始

薬師沢小屋前、黒部奥の廊下にかかる橋
まったく素人の私たちが、アマゴさんに餌のつけ方や釣り方など指導してもらっていると、川上でのんちゃんが、「釣れた〜」と叫んでいます。25cmクラスの大物です。さっきの釣師がやって来て、「すごい!」と言いながら川上に行きます。釣は人より上の方が釣れるとか…あわててリーダーとアマゴさんが追いかけました。しかしこのあとリーダーがもう1匹釣っただけ、そう簡単に釣れるものではないようです。
小屋の前で、皆さんの羨望の眼差しを受けながら、岩魚2匹を塩焼きにし、7人で分け分けしていただき、骨は香ばしく焼いて骨酒にしてます。とても美味しかった♪
小屋は少し混んでいましたが、6枚の布団に7人で、ゆっくり熟睡できました。


11日 晴れのち曇り 薬師沢小屋5:00---黒部奥の廊下---赤木沢出会い7:50--大滝10:00---源頭12:00---北の俣岳13:40---薬師峠峠キャンプ場16:00
岩魚は人が歩くと釣れなくなるというので、朝食を弁当にしてもらって午前5時に出発します。(弁当といってもおこわのチマキ3個でした)今日は岩魚を1人1匹、7匹ゲットするのが目標です。
小屋の横の梯子を伝って黒部川に下ります。黒部の水は冷たくて長く足をつけていると、しびれそうです。

黒部奥の廊下

魚影を見つけてつり開始
岩魚を見つけられないまましばらく遡行します。大きな淵でついに岩魚の魚影を発見、釣開始です。入れ食い状態、アマゴさんの親切な指導で、私でも釣り上げることができ、7匹釣って釣りを終了します。
夕食のおかずをゲットできたので、心置きなく沢登りに集中できます。
しばらくいくと大きな淵です。後から来た2人連れが右岸をへつって、かなり苦労しているいます。私たちは左岸を楽に高巻きました。そしていよいよ赤木沢出会いです。

赤木沢出会い

最初の滝
赤木沢は、幅広の高さ2mほどの滝手前の右枝沢を入ります。出会いの浅い淵は朝日を受けてキラキラ輝いています。最初は名前の由来の赤色のナメが私たちを迎えてくれます。赤木沢に入ると水温が高く足をつけていても心地よい。
しばらくいくと滝が次々現れます。どの滝も傾斜がありどんどん登っていけます。沢の両斜面はお花畑、そして滝の向こうは真っ青空が続き、ほんとに明るい沢です。

滝そばをガンガン登って行きます

1赤い色のナメが続きます

滝の両斜面はお花畑





高巻き道も歩きやすい


トユ状の流れ

大滝
美しい滝を幾つも登って、ついに30mの大滝です。水量は少なめで、ちょっと迫力不足でした。ここは左岸のりッジを登ります。ちょとルートを間違えて苦労します。
大滝を登り終え二俣を右に入いります。小さな滝をいくつかこえると、沢はお花畑の中の小川にかわります。ついに赤木沢の最初の一滴が湧き出る源頭に到達です。ここで靴を履き替えて、お昼休憩です。源頭の水でアイスコーヒー、インスタントだけど美味しかった♪

最後の詰めはお花畑の中を歩きます

稜線の縦走路にでます
草原の中の踏みあとをたどって登っていきます。一面ハクサンイチゲの花が咲いて、ハイジの世界です。ハイ松帯を抜けて、1時間程で北の俣岳と赤木岳の間の縦走路に出ます。
ここから太郎平までなだらかな上り下りの稜線の道です。北の俣岳山頂には雷鳥の親子の集団が6〜7羽居たでしょうか。チョコチョコ歩いてかわいかったこと!


テント場で岩魚の塩焼き
ガスの中の縦走路を黙々と歩きます。これが結構な長くて、疲れた体には堪えました。太郎山あたりでは雨もポツポツしはじめ急ぎます。太郎平小屋でデポしていた荷物をもらい、薬師峠のキャンプ場に向かいます。先に行た仲間が2つテントを張って待ってくれていました。
雨も上がって、さっそく岩魚を焼き始めます。肉を焼いているグループは見かけますが、魚の匂いをさせているのは私たちぐらいです。身を食べた後は骨を焼いて熱燗を注ぎ骨酒にします。

12日 晴れ 薬師峠キャンプ場7:30---太郎平8:10---折立登山口11:00---神戸
元気なメンバー4人は薬師岳往復するため、午前5時テント場をでていったが、昨日の岩魚と沢で大満足の私とのんちゃん、そして虫刺されで熱っぽいアマゴさんは、薬師岳はパスすることにして、ゆっくり朝寝します。朝からの快晴でテントもよく乾きます。ゆっくり食事をして、7時半ごろ一足先に3人で下山します。今ごろ山頂かななんて、話していたのですが、7時35分にはテントに戻ってきていたそうです。

薬師峠テント場、

太郎平への木道
今日は快晴で、太郎平への木道からは槍ヶ岳、裏銀座の山、遠く白山も眺められ、薬師岳に登らなかったことをちょっと後悔… 天気が良すぎて汗だくだけど、薬師岳や剣岳を見ながら順調に下る。

遠くに裏銀座の稜線と槍ヶ岳北鎌尾根

遠く剣岳が見える。
早く下山して登山口でみんなを待つつもりで歩いていたら、三角点過ぎた辺りで追いつかれてしまう。ほんとに皆さん足が速い…

アマゴさんの手がパンパンに腫れあがってグローブみたいになって心配したが、途中小さな診療所によって見てもらったら、「冷やしておけば大丈夫」ということで一安心する。
立山インター近くの立山グリーンパーク吉峰に立ち寄り湯してから、高速にのる。
お盆の渋滞もなく、スムーズに帰神できた。ガソリンの高騰で車で出かける人が少ないようです。

憧れの赤木沢に、経験の少ない私たちを、誘ってくれたリーダー、
そしてみんなに岩魚を釣らせてやろうと、竿から餌まで用意してくれたアマゴさん、
共同装備を持ってくれたメンバーの皆さんに本当にありがとうございました。
人の心の優しさ温かさをたくさんもらった貴重な夏山でした。



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