西穂高〜奥穂高岳縦走 


2008年9月13〜15日 曇り 岐阜県
メンバー 9人
コース:新穂高温泉---西穂高口---西穂山荘テント場---西穂高岳---間の岳---天狗の頭---ジャンダルム---奥穂高岳---奥穂高山荘テント場---白出沢---新穂高温泉

山の会の夏山合宿で「西穂高岳〜奥穂高岳の縦走」の募集があった。一般ルートとしては国内最難コースといってもいいだろう。3年前、奥穂高に登った時、いつかは越えてみたいと思ったジャンダルム、憧れの難コースだ。会長さんがリーダーでベテランがサポートしてくれる。このチャンスを逃したらもう行く機会はないかもしれない。思い切って申し込んむ。RC3級リードとボッカ3回ノルマが課せられ、8月の炎天下の中せっせとトレーニングに励みました。
13日(土)雨 神戸5:30---新穂高温泉12:30---西穂高山荘テント場15:00(泊)
朝一番の電車に乗るつもりで起きると、大雨が降っている。駅に行くまでに濡れるのもいやなので、タマちゃんを起こして集合場所まで送ってもらう。(すいません。いつかこの借りは返します。)
昼頃新穂高温泉に着いた頃には雨も上がり、ロープウェー駅から西穂山荘まで雨に会わずに、1時間程でたどり着く。連休とあって狭いテント場満杯だ。レトルトの夕食を済ませて、テントに入るとまた雨が降りだした。しかし携帯の『山の天気予報』では明日は回復するみたいだ。明日は3時起床、4時30分出発。早めに就寝するが、雨の音が気になって熟睡できなかった。

14日(日)曇り時々晴れ 西穂山荘4:30---独標5:45---西穂高岳7:10---間の岳8:40---天狗の頭9:35---シャンダルム下11:30---奥穂高岳13:00---穂高岳山荘テント場13:50

朝起きると雨は止んでいる。暗い中びっしょり濡れたテントをたたみ、ヘッドランプをつけて、予定通り出発する。小屋の前にも数人準備している人がいる。奥穂高まで縦走する人は、だいたい暗いうちに出発するようだ。メンバー9人なので、3人ずつ3班に分かれて出発する。
一面ガスで真っ暗だ。ヘッドランプで歩くのは初めてかもしれない。独標まではたいした岩場も無く暗くても問題ない。

独標、やっと夜が明け始め明るくなってくる

独標から見た西穂高岳はまだガスの中だ
独標に着いた頃やや明るくなってきて、ガスも少しずつ上がり始めたが、まだ山山は見えてこない。西穂高岳まで往復の人や、小屋どまりの軽装の人たちに追い越されながら、ゆっくり登っていく。

ピラミッドピークから振り返る。独標が見える

飛騨沢を挟んで笠ヶ岳が見えてくる
西穂高岳手前のピラミッドピークに着く頃から、ガスが上がり始める。ガスの中から乗鞍岳や焼岳の山容が見えてくる。雄大な景色に圧倒される。
独標からすぐクサリの下りがあり、ガレ場もあり、浮石ありで西穂高岳までも結構きびしい。 西穂高岳山頂に着く頃には青空が広がり飛騨側のガスは上がってきたが、信州側はまだガスの中だ。

西穂高岳山頂

西穂高岳から険しい稜線を振り返る
西穂岳山頂まで来ると夜が明けて、これから行く稜線も見える。奥穂高へ縦走する人が多いのに驚く。先頭の1班の○○ちゃんが少々バテ気味で、遅れだしたので最後にまわり、私たちが先に行く。

これから行く稜線、目の前(右)の大きな山が間の岳

雲の中にうっすら槍の穂先も見える

天狗の頭から

天狗の頭へ最後に登ってきたのんちゃん
浮石の多い間の岳の登り、逆層スラブで滑りやすい天狗の頭の登り、長いクサリ場の下り、クサリに頼ってはいけないと思いながらも、足が届かずついぶら下がってしまう。足元ばかり気をとられ、周りの景色もよく見ることもできない。
天狗の頭で遅れている1班を待って全員集合する。ここが最終集合、あとは奥穂高まで各班ごとに行く。

岩場の登り

ジャンダルム
↑のような岩場の上り下りが延々と続き、行程中に気をぬけるところが無い。ジャンダルムの登り口だったのか、ザックが4〜5個置いてある。ジャンの頂上に往復できるようだが、うちのリーダーは登らず通過する。あとで聞いたのだが一番遅れている1班はジャンに登ったそうだ。私たちも十分時間があったのに、残念なことをした。

ジャンダルム山頂に人影が

奥穂高山頂
ナイフリッジの手前でシャンダルムを眺めながら休憩していると、ジャンの上に人影が見える。ここで始めてジャンの山頂に登れることが分かった。思わず「ヤッホー」と大きな声で叫んだら、 なんとこの人影、遅れている1班だった。「ユコリンのヤッホーという声が聞こえて、すごく心強かった」とあとで聞いた。叫んでみるもんだ。
左右がスパッとキレ落ちた馬の背のナイフリッジ、ここを過ぎるとすぐ奥穂高山頂だ。手足4本を使ってまたぐように進む。高度感満点だ。午前4時半に出発して8時間半、やっと奥穂高に到着する。
山頂にはたくさんの人がいて、ヘルメット姿に「西穂からの縦走ですか、すごいな〜」と声がかかる。ちょっといい気分だ♪

奥穂高山荘とテント場

救助に来たヘリコプター
後続のグループはまだ来ないけど、奥穂高山荘のテント場確保のため、先に降りることにする。
ところが山荘手前の梯子のところで足止め、落石事故でけが人が出たようだ。上からテント場を見ていると、どんどんテントが設営されて、空き地がほとんどなくなっていく。20分ほど待ってやっと通れるようになった。梯子の下のクサリ場を下りている時、また落石がおこり、私のすぐ横を頭大の石が落ちていった。今回はけが人がなくホッとする。
山荘に着いたときは、テント場は満杯で、白出沢に下りるテラスに設営させてもらう。その後もどんどんテントは増えて、山荘前の広場にも張っていた。午後9時ごろまで隣のテントの声がうるさかった。

今日の夕日

翌日の白出沢の下り
15日(月)晴れ 奥穂高山荘5:00---白出沢出会い8:20---新穂高温泉P9:30
ゴロゴロと落石の響き渡る白出沢をガンガン下って、9時過ぎには新穂高温泉に到着していた。10時開店の「平湯の森」温泉汗を流し、昼食には飛騨牛焼肉定食を食べて、渋滞も無く午後5時過ぎには神戸に帰ってきた。膝はガクガク帰りの車でもう筋肉痛が始まっていた。

北アルプス屈指の難コース、ついて歩くのが精一杯で楽しむ余裕は無かったが、
テント装備での縦走に、ちょっと自信がついた。
次回はテントを担いでの縦走、自分たち(女性)だけでチャレンジしたい



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